令和3年度「伝統芸能文化復元・活性化共同プログラム」採択結果

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「伝統芸能文化復元・活性化共同プログラム」について、今年度は14件の応募がありました。審査の結果、以下の3件を採択しましたのでお知らせします。採択した3件については、TAROと申請者による共同プログラムとして実施します。

1 伝統芸能文化復元・活性化共同プログラムとして採択した申請

・古物重厚意匠糊地能楽扇の写し製作
申請者:有限会社 十松屋福井扇舗
代 表:福井芳秀
能楽や日本舞踊等で用いられる舞台用の扇には重厚細密な扇面絵が描かれているものがあるが,近年では制作の機会が著しく減少している。そこで,京都在住の能楽シテ方の家が所蔵する扇の「写し」を通じて,高度な扇面上絵技術の継承を行う。また,製作できる職人が減少している古式の扇面地紙「糊地」については,素材分析によって現在主流の「合わせ地」との違いを明確にし,その工芸的価値と舞台効果を周知する。製作した扇は,実際の公演で仕上がりを確認する。

・笛譜・唱歌制作による石見神楽の継承円滑化事業
申請者:石見神楽産業化モデル事業実行委員会
代 表:日高均
島根県を代表する郷土芸能の石見神楽の笛は,演者の口伝や独学によって受け継がれてきたが,技術の習得に大きな困難がある。そこで本事業では,京都の芸能関係者と協力して,譜面とオノマトペ(擬音)による「口唱歌」を作成し,笛の稽古を円滑に行えるような指導方法を確立させることを目指す。その指導方法を石見神楽各社中で共有することで,笛の指導者と演奏者の育成を図る。

・三味線音楽のScratch教材開発:常磐津節を通じて日本の伝統芸能に親しむための教育プログラムづくりとその普及の試み
申請者:次代に邦楽をつなぐプロジェクト
代 表:重藤暁
GIGAスクール構想の実施に当たって,小学生を対象とした日本の伝統音楽に関する教材をビジュアルプログラミング言語(Scratch)で開発する。協力が得られる小学校でテスト運用し,そのフィードバックを踏まえて改良を行い,教材と指導マニュアルをウェブ上で公開する。また,教員向け研修会を開催し,本教材を小学校の授業実践に活用してもらうための普及活動を行う。

2 審査会委員

(敬称略、順不同)
久保田裕道 東京文化財研究所無形文化遺産部無形民俗文化財研究室長
小林昌廣(座長) 情報科学芸術大学院大学教授
田口 肇  京都市産業技術研究所第5研究部長
竹内 有一 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授
西岡 陽子 大阪芸術大学教授
広瀬 依子 追手門学院大学国際教養学部講師
吉田 純子 文化庁文化財第一課文化財調査官(芸能部門)
山中 博昭 京都市文化芸術政策監


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