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連続講座「新内節を語る」*第3回「女流を語る」については、新型コロナウイルス感染症の流行により延期となりました。開催日程に関しては改めてお知らせいたします。

「新内節を語る」では、各回異なる若手演奏家の講師をお招きし、それぞれのテーマで新内節の現状と将来の展望について、実演を交えながら語っていただきます。

※本連続講座は、令和元年度「伝統芸能文化復元・活性化共同プログラム」に採択された「新内節の発信と保存プロジェクト」の一環として行います。継承者の高齢化や減少に向き合いながら、どのようにして普及するかということは、新内節のみならず多くの伝統芸能が抱えている課題です。このプロジェクトでは、浄瑠璃発祥の地である関西からこの問題について考え、その情報を発信するとともに、音源等をアーカイブ化することを目的としています。

新内節とは

江戸で確立した豊後系浄瑠璃のひとつ。京都で誕生した一中節(いっちゅうぶし)から独立した宮古路豊後掾(みやこじぶんごのじょう)の豊後節から派生した。始祖である初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)が「蘭蝶」「明烏」など数々の名曲を作り座敷浄瑠璃として発展させたが、一門の鶴賀新内の美声が人気を博し、文化年間に総称として新内節と呼ばれるようになった。幕末には中興の祖とされる富士松魯中(ふじまつろちゅう)が優れた新曲を作った。

第1回「我が師を語る」

新内の代表曲《蘭蝶》《明烏》をつくった初世を継承する当代鶴賀若狭掾を師とする鶴賀伊勢吉を講師に迎えて、芸を継承すること、また分家家元として太夫と三味線方の二つの立場で演奏を行う活動形態についてお話をうかがいます。
日時:2020年1月25日(土)15:00-16:30
会場:京都芸術センター 和室「明倫」
定員:20名
講師:鶴賀伊勢吉

第2回「創作を語る」

新内節の演奏家は盛んに創作を行なっており、なかでも昭和期に活躍した岡本文弥は生涯に300曲も作曲をしています。第一部では、その岡本文弥に師事し、現在岡本流を継承しながらも創作活動に邁進している宮之助に創作のプロセスをうかがいます。第二部では、日本を代表する音楽学者である細川周平を招き、新内節の現状について多角的に語り合います。
日時:2月11日(火・祝)15:00-17:00
会場:京都芸術センター 大広間
定員:80名
講師:岡本宮之助
ゲスト:細川周平

第3回「女流を語る」

新内節は「女流演奏」という言葉をあまり用いず、男女差なく舞台に上がります。長唄三味線出身の富士松菊子を講師に迎え、複数の三味線音楽を芸の教養とする新内節について話し合います。

*第3回「女流を語る」については、新型コロナウイルス感染症への対策として延期となりました。開催日程に関しては改めてお知らせいたします。

●三回とも、聞き手:新内志賀、細野桜子

要申込(先着順)
入場無料

申込方法:電話・FAX・ウェブ申込フォーム・メールのいずれかの方法によりお申込みください。その際に、①どの回に参加希望か ②氏名 ③人数 ④連絡先(電話番号、メールアドレス)をお知らせください。

予約・問合せ

伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス(京都芸術センター)
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 京都芸術センター内
電話 075-255-9600 (075-213-1000)
FAX 075-213-1004
メール taro@kac.or.jp

ウェブ申込フォーム

https://www.kac.or.jp/events/27450/

会場アクセス

主催

新内節の発信と保存プロジェクト、伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス(京都市、京都芸術センター)

  • 鶴賀伊勢吉(つるが いせきち)
    鶴賀伊勢吉(つるが いせきち)
    新内節鶴賀流分家家元。新内協会理事。鶴賀伊勢吉新内教室主宰。鶴賀流第十一代目家元鶴賀若狭掾(人間国宝)に師事。鶴賀若狭掾の三味線方として国内外演奏会の演奏会に数多く出演。海外公演は、鶴賀若狭掾の三味線方として30ケ国での公演に参加。現在は鶴賀伊勢吉と改め、浄瑠璃方として様々な演奏活動をしている。
  • 岡本宮之助(おかもと みやのすけ)
    岡本宮之助(おかもと みやのすけ)
    新内節 岡本流後継者として大叔父 岡本文弥、五世宮染に師事。岡本文弥と親交の深かった邦楽演奏家 平井澄子先生にも薫陶を受ける。岡本流以外では演奏不可能になった多くの浄瑠璃を正しく継承。「演奏しなければ無いも同然」をモットーに、ごまかしの無い演奏と保存に努力する。膨大な文弥作品と共に新内節普及に奮闘中。加えて創作にも積極的に取り組む。演奏会、舞踊会、放送など出演多数。
  • 細川周平(ほそかわ しゅうへい)
    細川周平(ほそかわ しゅうへい)
    国際日本文化研究センター教授。近代日本音楽史、日系ブラジル文化を専門とする。著作に『サンバの国に演歌は流れる』(中公新書)、『遠きにありてつくるもの』(みすず書房、読売文学賞受賞)、『日本語の長い旅』(みすず書房)などがある。
  • 富士松菊子(ふじまつ きくこ)
    富士松菊子(ふじまつ きくこ)
    1992年、長唄杵屋勝七郎師に入門。1995年、新内新派5代目富士松菊三郎師に入門。2012年、新内新派6代目家元継承。同年、福井県文化奨励賞受賞。2014年、東京日本橋三越劇場にて6代目継承記念公演。東京、京都を中心に演奏活動。現在、京都、福井にて稽古をつけている。
  • 新内志賀 (しんない  しが)
    幼少期より江戸浄瑠璃新内節を研進派初代家元・新内志賀大掾及び新派家元・富士松菊三郎に師事。小唄を里園派宗家・里園志寿栄及び里園志寿華に師事。2012年研進派家元。新内志賀の襲名を果たし、現在は一門の指導・育成に献身している。本名の重森三果名義では、文学作品に脚色を施した作品や、書き下ろしの楽曲を精力的に発表。数多くの映画・テレビ等において邦楽指導、演奏出演している。2014年文化庁芸術祭音楽部門優秀賞受賞。
  • 細野桜子 (ほその さくらこ)(新内志賀桜)
    4歳より新内志賀師に師事。2017年東京藝術大学(長唄三味線専攻)卒業。長唄を稀音家温子師、東音新井康子師に師事。2019年京都市立芸術大学(日本音楽研究専攻)修士課程終了。東洋音楽学会正会員。2019年度京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター共同研究員(竹内研究室)。

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