イベント

【中止】演奏会&トーク「新内節を語る特別編」

ヒューリックホール京都(京都市中京区備前島町310−2)

高瀬川夏祭りが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中止となることが決定しましたので、それに伴い「新内節を語る特別編」も中止とさせていただきます。ただし、同様の内容を撮影して、後日、YouTubeチャンネル「新内節の発信と保存プロジェクト」で動画配信する予定です[https://www.youtube.com/channel/UCq27EMkQzpJtNZu3mSEG6ig/featured] 。どうぞご了承いただきますようお願いいたします。(2020年8月22日20:00更新)

日時

2020年8月23日(日)15:00-17:00(開場14:00)

会場

ヒューリックホール京都(京都市中京区備前島町310−2)

新内節 人間国宝 鶴賀若狭掾による演奏とお話

新内節には楽曲の内容に応じていくつかのジャンルが存在し、新内節特有の「端物」、義太夫の楽曲が基になった「段物」、めでたい内容の「御祝儀曲」、滑稽な話の「チャリもの」など数多くのジャンルの楽曲が伝えられています。まず、第一部では、立誠地区のさらなる繁栄を願って御祝儀曲「子宝三番叟」を、京都在住の新内志賀社中による演奏でお聞きいただきます。第二部では名曲として知られる端物「蘭蝶」と段物「一谷嫩軍記」を東京在住の人間国宝・鶴賀若狭掾(鶴賀流11代目家元)と鶴賀伊勢吉(鶴賀流分家家元)が披露します。第三部のトークコーナーでは新内節の魅力についてお話しいただきます。

「色っぽい」新内節から「あわれ」な新内節まで、幅広い角度からその魅力に迫ります。

<1部> 御祝儀曲
「子宝三番叟」
浄瑠璃 新内志賀
三味線 新内志賀桜 上調子 新内志賀日向

<2部> 端物と段物
「蘭蝶」
浄瑠璃 鶴賀若狭掾
三味線 鶴賀伊勢吉 上調子 新内志賀桜

「一谷嫩軍記」
浄瑠璃 鶴賀若狭掾
三味線 鶴賀伊勢吉

<3部> トークコーナー

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【子宝三番叟】
二世鶴賀鶴吉の直伝曲とされ、現在最も多く演奏されている。所謂「御祝儀曲」と呼ばれるもので、芸能を演ずる場所・人・鑑賞者などを祝福するためのめでたい楽曲を、演奏会の始め、または終わりに演奏されるために作られる。新内節ではその時々の条件によって新しく作られることもある。
歌詞は「〽︎とうとうたらり」に始まるが、これは能楽の「翁」で冒頭に唱える語であり、三番叟物ではお決まりの囃子詞となっている。「〽︎神代の昔 二神の」からは新内節の節調になる。「〽︎やんら目出度よの」では舟歌になり、後の二上りではションガイナ節の長持ち唄を取り入れる。「〽︎池の汀に船つけて」から本調子に直って、賑やかに終わる。

【蘭蝶】
初代鶴賀若狭掾作詞作曲。蘭蝶というのは通称で、本名題は『若木仇名草』。全部を演奏すると1時間半以上にも及ぶ大曲で、現在ではいくつかの場面に分けて演奏されることが多い。
内容は、当時の人気役者の声色と扮装を真似る身振師(現在で言う、物真似)の蘭蝶という芸人と、その女房のお宮、遊女此糸による三角関係。此糸とお宮のクドキ(恋慕や悲嘆などの感情を表現する部分)はそれぞれ存在している。
新内節の代表曲のひとつで、中でも「〽︎縁でこそあれ末かけて」という部分は特に代表的な部分のお宮のクドキであり、お宮が此糸に蘭蝶との縁切りを頼むための場で、お宮の切実な気持ちが表現されている。

【一谷嫩軍記】
初代鶴賀若狭掾作曲。並木宗輔作『一谷嫩軍記』の須磨浦組打がもとになっており、歌詞の殆どが義太夫節の通りである。楽曲が長いため、現在では上下に分けて演奏されることが多く、今回の演奏は上の部分にあたる。
敦盛は、平家の安徳天皇が乗る船に遅れまいと駆けつけたが、船はもう沖の方へと離れていた。その後ろから、熊谷直実が「ヤァ、それ討たせ給うは平家の大将軍と見奉る、まさなうも敵に後ろを見せ給うや、引き返して勝負あれ」と名乗りを上げた。敵である直実に声をかけられた敦盛は馬を引き返し直実と闘うが、ついに組伏せられてしまう。直実は敦盛の首を刎ねようと、敦盛に名を訊ね「我こそは参議経盛が末子 無官の太夫敦盛」と若い敦盛の状況に涙するも、後から来た兵に、(直実が)敦盛を組み敷きながら助けるのは何かあるに違いないため直実共々逃がすなと罵られてしまう。成す術もなく、直実は念仏を唱え、敦盛の首を討って嘆くところまでの話である。

新内節とは

江戸で確立した豊後系浄瑠璃のひとつ。京都で誕生した一中節(いっちゅうぶし)から独立した宮古路豊後掾(みやこじぶんごのじょう)の豊後節から派生した。始祖である初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)が「蘭蝶」「明烏」など数々の名曲を作り座敷浄瑠璃として発展させたが、一門の鶴賀新内の美声が人気を博し、文化年間に総称として新内節と呼ばれるようになった。幕末には中興の祖とされる富士松魯中(ふじまつろちゅう)が優れた新曲を作った。

<申込方法>

下記ウェブ申込フォームからお申込みください。要事前申込(先着順)、入場無料
ウェブ申込フォーム
※下記の<お客様へのお願い>をお読みいただいてからお申し込みください

問合せ
伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス(京都芸術センター)
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 京都芸術センター内
電話 075-255-9600 (075-213-1000)
FAX 075-213-1004
メール taro@kac.or.jp

<お客様へのお願い>

~ご来場の前に~
ご来場前の2週間、ご自身で検温をお願いいたします。発熱がある場合、また下記の症状、条件に該当する場合はご来場をお控えください。
① 咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味覚・嗅覚障害、眼の痛みや結膜の充血、頭痛、関節・ 筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐
② 2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合等

~ご来場当日に際して~
①  ご来場・ご鑑賞時は、常にマスクの着用をお願いいたします。体調面でマスク着用が難しい場合は、ハンカチやタオルをご使用いただくなど周りへの配慮をお願いいたします。
②  ご来場の際に、非接触型体温計による検温を実施させていただきます。37.5℃以上の場合は、ご入場をお断りいたします。
③  ご来場者登録(氏名、連絡先の記入)へのご協力をお願いいたします。登録いただいた情報は、必要に応じて保健所等公的機関へ提供させていただく場合がございます。お預かりした情報は一ヶ月を目途に廃棄いたします。
④  混雑を回避するため、開演の60分前から開場しております。余裕をもってご来場ください。
⑤  咳エチケットは、必ずお守りください。
⑥ 飛沫感染防止の観点から、会場内での会話は常にお控えください。
⑦ 会場内でのお食事は、ご遠慮いただいております。
⑧ 楽屋への面会のご案内はいたしませんので、ご了承ください。
⑨ スタッフもマスク着用のうえ、極力接触やお声がけを避ける形で運営しますので、ご了承ください。

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主催 新内節の発信と保存プロジェクト、伝統芸能アーカイブ&リサーチオフィス(京都市、京都芸術センター)
共催 立誠文化協議会、立誠自治連合会、第46回高瀬川夏まつり実行委員会

  • 鶴賀若狭掾 (つるがわかさのじょう)
    鶴賀若狭掾 (つるがわかさのじょう)
    鶴賀流11代目家元(新内節浄瑠璃)。昭和12年、東京の神楽坂に生まれる。幼少の頃より新内節の太夫であった父の鶴賀伊勢太夫より新内節浄瑠璃の手ほどきを受け、新内の道に入り、伝統的な新内節の技法を的確に体得し、昭和33年に鶴賀伊勢路太夫を名乗る。昭和38年に2世鶴賀伊勢太夫を襲名。平成12年に新内の始祖で新内界の一代名跡である鶴賀若狭掾を襲名する。また、新内協会理事長に就任し名実ともに新内界を担い新内節の伝承・継承、継者の育成と宣伝・普及発展に精力的に活動している。鶴賀流の格調高い正統な芸風に研鑚を高め、新内浄瑠璃の技芸を高度に体現しこれに精通した芸を認められ、平成13年には重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受ける。新内芝居の開催、八王子車人形とのドッキング、一人芝居と新内等々、聴いて見て楽しい新内、分かりやすい新内をモットーに新内ファンの増加をはかる事に尽力。日本各地はもとより海外でも精力的に演奏活動をしている。毎年テレビ・ラジオの出演、古典・新作発表のリサイタルを開催。又、古典の発掘はもとより作詞・作曲も多数。
  • 鶴賀伊勢吉(つるがいせきち)
    鶴賀伊勢吉(つるがいせきち)
    新内節鶴賀流分家家元。新内協会理事。鶴賀伊勢吉新内教室主宰。鶴賀流第11代目家元 鶴賀若狭掾(人間国宝)に師事。鶴賀若狭掾の三味線方として国内外演奏会の演奏会に数多く出演。海外公演は、鶴賀若狭掾の三味線方として30ケ国での公演に参加。現在は鶴賀伊勢吉と改め、浄瑠璃方として様々な演奏活動をしている。
  • 新内志賀(しんないしが)
    新内志賀(しんないしが)
    京都市生まれ。幼少期より江戸浄瑠璃新内節を研進派初代家元・新内志賀大掾及び新派家元・富士松菊三郎に師事。小唄を里園派宗家・里園志寿栄及び里園志寿華に師事。2012年研進派家元、並びに新内志賀の襲名を果たし、現在は一門の指導・育成に献身している。本名の重森三果名義では、さまざまな文学をもとに脚色した作品や自ら書き下ろした楽曲を、新しい試みをもって精力的に発表している。また数多くの映画・テレビ、舞台、などに於いて邦楽指導、演奏出演するなど多岐にわたって活動をしている。2014年文化庁芸術祭音楽部門優秀賞受賞。
  • 新内志賀桜(しんないしがおう)
    新内志賀桜(しんないしがおう)
    4歳より新内志賀に師事。2017年、東京藝術大学(長唄三味線専攻)卒業。京都市立芸術大学(日本伝統音楽研究専攻)修士課程修了。長唄を稀音家温子、東音新井康子に師事。
  • 新内志賀日向(しんないしがひな)
    新内志賀日向(しんないしがひな)
    13歳より新内志賀に師事。映画「沈黙」、テレビ「必殺仕事人」「大奥」「鬼平犯科帳」等の映像作品の三味線演奏に参加。舞台では国立文楽劇場、京都芸術センター、また京都を中心としたイベント等で演奏。

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