伝統芸能文化創生プロジェクトについて

「伝統芸能文化創生プロジェクト」と
「伝統芸能文化センター」構想

「伝統芸能文化センター」は、2011年に京都市が策定した「国立京都伝統芸能文化センター(仮称)基本構想」(素案)に示されている“伝統芸能文化の継承・創造の拠点施設”です。センターが備えるべき機能として以下の6つが掲げられています。

1 伝統芸能に関する学術研究
2 伝統芸能に関する創造・普及
3 楽器・用具用品に関する相談・支援
4 ネットワーク・コーディネート
5 全国発信・地域間交流
6 海外発信・国際交流

この6つの機能の実現のため、先行的に実施した 2007~2013 年度の「京都創生座」や 2009~2016 年度の「五感で感じる和の文化事業」では、流派を越えて伝統芸能の持つ力を引き出す創作・公演や、 国内外への発信・交流、市民 への普及等に取り組んできました。その成果を引き継ぎ、2017 年度からは「伝統芸能文化創生プロジェクト」として、 上記の6つの機能を更に強化するための活動を行っています。この「伝統芸能文化創生プロジェクト」を推進する主体 となるのが、京都市と京都芸術センターから成る伝統芸能アーカイブ & リサーチオフィス(TARO)です。

伝統芸能アーカイブ & リサーチオフィス
(Traditional Arts Archive & Research Office 略称:TARO)

TARO は、「伝統芸能文化センター」に必要とされる機能の確保・強化に取り組む事務局として2017年に京都芸術センター内に設置しました。伝統芸能の継承や保存、用具・用品とその材料の確保、普及・創造・発信活動など、伝統芸能文化の総合的な活性化の観点から、ネットワークの構築や基礎調査等を進めています。

「伝統芸能文化センター」構想の経緯

年度 主な内容
2003年度 京都創生懇談会より「国家戦略としての京都創生の提言」提出
2004年度 「歴史都市・京都創生策」策定
2006年度 京都創生研究会「国立京都伝統芸能文化センター(仮称)」分科会を設置し,2008年度まで検討(全9回開催)
「歴史都市・京都創生策Ⅱ」策定→国へ要望
「京都文化芸術都市創生計画」策定→「国立京都伝統芸能文化センター(仮称)の整備」が重点課題に
2007年度 「京都創生座」事業の実施(〜2013年度)
2009年度 「五感で感じる和の文化事業」の実施(〜2016年度)
2011年度 「国立京都伝統芸能文化センター(仮称)基本構想(素案)」策定→国へ要望(以降,毎年度要望)
「京都文化芸術都市創生計画 改訂版」策定
→重要施策群1:継承と創造に関する人材の育成等に位置付け
2013年度 「創生劇場」の実施(〜現在)
2014年度 「京都文化芸術プログラム2020」策定
→プログラムを牽引する重要事業に位置付け
2016年度 「第2期 京都文化芸術都市創生計画」策定
→8つの最重要施策のうちの1つに位置付け
2017年度 「伝統芸能文化創生プロジェクト」の実施
「伝統芸能アーカイブ&リサーチ オフィス」を京都芸術センター内に設置

伝統芸能文化とは

TAROが対象とする伝統芸能文化は、古典芸能や民俗芸能、これらに不可欠な楽器・用具用品及びその材料、その製作に係る伝統工芸技術に至るまで、極めて多岐にわたります。
伝統芸能文化創生プロジェクトでは、上記のように「伝統芸能」に係る多くの分野を総合した概念として「伝統芸能文化」という名称を用いています。
歴史を通じて形成されてきた精神性、美的感性、文化的価値が総合的に凝縮されている伝統芸能文化は、言語や文学の伝統と同様に失ってはならないかけがえのないものです。

古典芸能 民俗芸能
日本で近世以前に創始され,現在も伝承・実演されている芸能。能・狂言・歌舞伎・文楽・日本舞踊・邦楽・落語・講談・浪曲・漫談などを対象とする。 五穀豊穣・長寿・悪疫退散などを神仏に祈って行われる民間の信仰行事に伴い,各地域社会で伝承されてきた芸能や,その他,広い意味での儀礼・祭礼・年中行事等を対象とする。
上記に係る楽器・用具用品,材料や伝統工芸技術等
古典芸能,民俗芸能に用いられる楽器・用具用品,またはそれらを作るために必要な材料や伝統工芸技術等を対象とする。

 


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